京急の自動放送が更新されたことについての雑感

ある日YouTubeを眺めていたところ、11月11日から京急タブレット端末を用いた自動放送が更新されたとの動画を目にしました。動画を見てみるとびっくり。なんと全ての駅で自動放送が入れられるようになっているではありませんか!これまでの車掌による肉声中心のアナウンスから一転して、自動放送中心のアナウンスに変わったことになります。全ての自動放送を聞いた訳ではないので総評は無理ですが、これまで見た動画で雑感を述べていきます。

途中通過駅の案内

自動放送全駅対応の次に驚いた点です。優等列車の途中通過駅の案内をする時、今までの京急では「弘明寺、井土ヶ谷、南太田、黄金町、日ノ出町、戸部へはエアポート急行または普通をご利用ください。」といったような「~をご利用ください。」「~にお乗り換えです。」という下位種別への案内も入る前提の放送でした。それが自動放送では「~には止まりません。」という通過駅を読み上げるだけの放送に変わりました。
肉声放送での放送内容の場合、同じ種別行先の列車でも、時間帯によって存在しない下位種別は放送しないように、柔軟に放送内容を変えていました。例として挙げた上の放送の場合、乗換先の列車にエアポート急行が存在しないと「弘明寺、井土ヶ谷、南太田、黄金町、日ノ出町、戸部へは普通をご利用ください。」に変わります。自動放送でこれをそのまま再現するのはパターンが増大しますし、輸送障害時などの柔軟性に欠けます。
「~には止まりません。」という放送にすることで、下位種別への案内を省略し、様々な状況でも放送できるようにした訳です。私の記憶の限りだと、京急では20年以上「~をご利用ください。」「~にお乗り換えです。」で放送してきました。自動放送のためにここを変えたのは革新的だと思いました。

KAITOKUとTOKKYU

全駅対応によって英語が飛躍的に充実するようになりましたが、当然種別名も英語で放送されるようになりました。しかし、快特と特急は停車駅が異なるにも関わらず、英語名はどちらもlimited expressです。そのため、"This is the KAITOKU(TOKKYU) limited express~"と放送しています。英語名の前に日本語読みの種別名を入れるのは中々珍しいです。快特の英語名だけ変える方法もあると思いますが、種別幕や車内の路線図などにも手を加える必要があることから、あくまで放送を変えることだけで済ませたのだと推察します。

ウィング号に車内チャイム登場

【自動放送】京急 モーニングウィング1号 横須賀中央発品川行 車内放送 / Japan's Train Announcement on the Keikyu Line's Morning Wing - YouTube
【自動放送】京急 イブニングウィング16号 品川→横須賀中央 車内放送 / Japan's Train Announcement on the Keikyu Line's Evening Wing - YouTube
これもまた驚いた点です。アナウンスの前に車内チャイムが流れるようになりました。前々からあったらいいな、くらいの妄想を捗らせていましたが、まさか現実になるとは思いもしませんでした。モーニング・ウィング号とイブニング・ウィング号で曲を変えていますが、個人的には逆の方がいいのでは?と思います。アップテンポな曲は夜よりかは朝の方が聞きたいんですよね。まあ個人的に朝の方の曲が好みというのもありますが。もちろんどちらもアナウンス前のアクセントとしては良い曲です。ウィング号に乗ることが少し楽しくなることでしょう。

ちょっとしたトラブルの放送も自動化へ

(京急線)特急品川行き 金沢文庫~品川車内放送 - YouTube
こちらの動画には踏切の特発動作による徐行運転時の放送が記録されています。徐行運転に至った原因と状況の放送、通常運行に戻る放送も収録されていて感心しました(まあそれだけ踏切の直前横断が多いということで悲しくもなるわけですが…)。
おそらくは輸送障害時での簡易的な自動放送も用意されているのでしょう。もしかしたら所謂逝っとけ宣言も収録されているのでしょうかw
ふと思ったのですが、臨時停車の自動放送も用意されているのでしょうか。ダイヤがグダグダになった時か花火大会の時に設定されるものですので、冬の季節に狙って聞けるものではありません。どうなっているか分かるのは夏まで待つことになりますが…どうなっているのでしょうね?

一部早口になる放送

ちょっと残念というか仕方ない点です。横浜到着時などの放送が長くなる所では、日本語放送の一部が早口(おそらく早回し)になっていて、若干聞き取りづらくなっています。日英の二か国語、もしくは日英中韓の四か国語を短い時間で収めるためには、英中韓を簡易的な放送にするか、日本語を犠牲にするしかありません。早口になっている放送は基本は省略できるものではないため(例えば横浜到着時の乗り換え路線はラッシュ時以外無理でしょう)、妥協策なのだろうと推測します。もどかしいですが、これといった改善策も思い付きませんので、こうするしかないのでしょうね…。

おわりに

以上雑感でした。趣味的に急に面白いことになりましたから、YouTubeに流れてくる動画を毎日楽しく見ています。前述のように放送時間が増大して、駅の到着に間に合わないことがあるのが今のところの大きな問題点でしょうか。今後の改善に期待しています。